アリの映画 アンツ 隠れた良作CG映画 あらすじ 感想

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アリのCG映画作品と聞かれて、バグズ・ライフを思い出す方は多いかも知れませんが、アンツの名を言える方は、よほどのCG映画通でないと出てこないかも知れませんね。

アンツ、アリの社会をフル3DCGで描いたドリーム・ワークス・アニメーションの記念すべき1作目のCG映画です。

アンツが公開された1998年、アメリカではバグズ・ライフ対アンツというCG映画対決が注目されたのです。勿論、結果はバグズ・ライフが1億3600万ドルという興行成績に対して、アンツは8900万ドルと惨敗です。

しかし、人気こそ出なかったものの、アンツ当時としては、おそらく世界最高峰のCG技術であり、批評家達の評価も高い作品です。

 

アリのCG映画 アンツ あらすじ

働きアリとして生まれ育ったZ(ジー)、毎日、毎日同じ作業の繰り返しで、何の変哲もない、人生を送っていたのでした。

そんなある日、お忍びで働きアリの住むエリアに来ていた女王アリのバーラ王女を偶然見かけると、たちまち一目ぼれ、いてもたってもいられない働きアリのZ(ジー)は、親友の力を借りて、兵隊アリになり、少しでもバーラ王女の近くに行こうと行動をおこします。

そんなZ(ジー)の行動が、アリ社会全体を巻き込む大きな騒動に発展していくのです。

アリのCG映画 アンツ 感想

アリの社会は、頂点に女王アリがいるというピラミッド階層型の社会である事は有名な事実ですが、そのアリを主役にする事で、人間の現実社会に対する問題に照らし合わせたストーリになっています。

はじめは、かわいくないキャラクターだし、テンポも悪い、駄作のオーラが蔓延している印象を受けたのですが、あれよあれよというままに、アンツの世界感に取り込まれて、最後は熱中し、えっ、もう映画ラスト!!という怒涛のCG映画作品です。

アンツ、色々考えさせられる映画です。ディズニー作品と違って、メインキャラクターも死んでしまいます。決して、子供向けに作られた、楽しいワイワイ出来る映画ではありません。大人向けの良質なエンタテイメント作品なのではないでしょうか?

ただ、ここまで凝ったストーリーにするのであれば、実写の方が面白かったのでは??とも思えてしまうのが少し残念な気がします。

キャスト

Z(ジー):ウディ・アレン
古川登志夫

バーラ王女:シャロン・ストーン
勝生真沙子

ウィーバー:シルヴェスター・スタローン
玄田哲章

マンディブル将軍:ジーン・ハックマン
有本欽隆

女王:アン・バンクロフト
谷育子

カター大佐:クリストファー・ウォーケン
水野龍司

アズテカ:ジェニファー・ロペス
坂本千夏

バルベータス:ダニー・グローヴァー
田中信夫

この豪華な顔触れ、アンツの主役は何と、ウッディ・アレンです。よくぞオファーを引き受けたという感じです。他にも、シャロン・ストーン、シルヴェスター・スタローン、ジーン・ハックマン、クリストファー・ウォーケン、誰が主役をやってもおかしくない俳優さんたちばかりです。

しかも、時代は1998年、第一線で活躍中の時に、このメンツが揃うだけでも奇跡です。

 

CG技術

ドリーム・ワークス・アニメーション作品のアンツですが、製作したのは、当時CG製作会社として名を馳せた
Pacific Data Images (PDI)社です。

映画を観ていただくと分かりますが、アリのキャラクターの表情が、本当にきめ細かいです。人間の顔の筋肉を参考に、顔の情状だけで300種類の動きが可能にした技術が映画に活かされています。ただ、残念な事に、その顔のリアルな動きが逆に気持ち悪いといった声も多かったようです。

他にも、群衆アニメーションという、CGならではの演出で、アリの大群が登場するシーンもありますが、その数、数万匹を登場させたというので、驚きです。何度も書きますが、現在のCG技術ではなくて、1998年のCG技術ですからね。

アンツを観てから、バグズ・ライフをみると、CGキャラクターの精細さに物足りなさを感じてしまうかもしれません。まあ、バグズ・ライフはその他の要素、ストーリーであったり、美し過ぎる映像であったり、古来のアニメーション技法を取り入れた演出であったり、CG技術不足を補う完成度の高さでひけはとりません。

CG映画というトータル的には、バグズ・ライフより評価の低かったアンツですが、CG技術だけは、負けていませんよ。

アリのCG映画 アンツ 最後に・・・

同じ時期に上映された映画ですが、バグズ・ライフは、人々の心に残る、アンツは忘れ去られる、その違いは何なのか、考えてみました。

ひとつは、ディズニーグループの存在ですね、ディズニーリゾートのアトラクションで登場すれば、あのかわいいアリさんは何?って、他のメディア、コンテンツから、映画の存在を知ってもらえますからね。そんな意味で、バグズ・ライフは、ずるいというか上手いですね。

そしてもうひとつは、アンツ、映画としてのメッセージが強かった、強すぎました。民衆の中からヒーローが生まれるよくある話ですが、毒の部分が強すぎました。CG映画を観たい方は、たいていは、面白さに期待してしまいますからね。ジャンルが難しい位置で製作されてしまった事が悲劇かも知れません。
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