『カールじいさんの空飛ぶ家』(原題: Up)は、2009年にアメリカで上映されたフル3DCG映画アニメーション作品です。
お爺さんが主役という、PIXARアニメ映画史上初の試みの作品ですが、面白さの中に郷愁感がただよい、ジーンと泣ける映画です。ジブリの宮崎駿監督も認めた冒頭のエピソードは、圧巻です。
カールじいさんの空飛ぶ家 あらすじ
冒険家を目指すカール少年が、おなじく冒険好きな女性エリーと出会い、結婚し、そして彼女が亡くなり一人ぼっちになるという紹介映像から映画ははじまります。
カール少年からカールじいさんになってしまい、亡き妻エリーとの約束、“伝説の滝”パラダイス・フォールへの冒険が出来ない事が心残りのままの人生でしたが、とある事件がきっかけで、思い出の詰まった家ごと、冒険に出る事になるのです。
カールじいさん、当初は一人旅の予定でしたが、“お年寄りのお手伝いバッジ”を手に入れたい自然探検隊員のラッセル、しゃべる事が出来る犬ダグが加わり、壮大なるおじいさんの冒険譚がはじまるのです。
カールじいさんの空飛ぶ家 感想
カールじいさんの空飛ぶ家、最初の10分間が最も感動し、映画のすべてであって、残りは蛇足かもしれません。それだけ、映画冒頭は引きつけられます。
おじいさんの人生の全てが見事に凝縮されているのです。その思いが全てわかるので、悲しいぐらいおじいさんの気持ち、共感できてしまうでしょう。
なぜ、家に大きな風船をいっぱいつけて飛びださなくてはならなかったのか? なぜ偏屈なおじいさんになってしまうのか? 誰でも今後経験する老いという問題を見事に観客に感情移入させてストーリーは、お見事です。
後半は、予想もしない、たくさんの犬の登場に驚きますが、犬好きにはたまらない展開の作品でもあります。
歳なんて関係ない、勇気と元気がもらえる、誰もが幸せな気分になれる映画です。
キャスト
カール・フレドリクセン:エドワード・アズナー
飯塚昭三
チャールズ・マンツ:クリストファー・プラマー
大木民夫
ラッセル:ジョーダン・ナガイ
立川大樹
ガンマ:ジェローム・ランフト
高木渉
アルファ:ボブ・ピーターソン
大塚芳忠
ダグ:ボブ・ピーターソン
松本保典
ベータ:デルロイ・リンドー
檀臣幸
原作も日本語吹き替え版も、有名俳優キャストを起用していません。それだけ、キャストの力を借りなくても客を呼べるという、実力の裏返しです。
CG技術
家が風船によって、地面からとびだつシーンなど、カラフルな色彩が本当にきれいです。
原色に近い、パステルカラー風な色合いなのに、どぎつくもなく、目に優しい風合いのCGアニメーション作品です。
アニメーションも変に感じる部分は一切なく、見事に完成された作品です。映画館で鑑賞した際は、ショートムービーの『晴れ ときどき くもり』(Partly Cloudy)の斬新な映像の試みに驚きましたが、DVD作品では、おまけ映像の犬のダグの視点の映像が、カールじいさんの空飛ぶ家の世界観をより膨らませてくれていますので、必見です。
カールじいさんの空飛ぶ家 評価
第67回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞・作曲賞受賞をしており、批評家からの評価も高い作品です。
ストーリーは比較的単純なので、一度観てしまうと、しばらくはいいかなという映画なので、私の評価は星4つです。
まあ、映画感で観てだいぶ時がたっていますので、映画鑑賞直後の興奮冷めやらぬ状態でしたら、星5つかもしれません。
間違いなく言える事は、『カールじいさんの空飛ぶ家』子供からお年寄りまで、おおよその方が満足するあたりの映画です。
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