下町ロケット 小説の感想 直木賞受賞作は、やはり傑作!!

下町ロケット (小学館文庫)

ジャンルはビジネス小説、ファンタジーでも時代劇小説でもないのですが、なぜか、心は戦闘態勢、読んでいて、小説を持つ手に力が入ります。

そうです。最も身近なサラリーマン社会を舞台にした、日本の製造業で働く方に勇気を与える小説です。

 

下町ロケット このタイトルがまた素敵

ネタバレ過ぎるあらすじは好きではないので、簡単に小説の冒頭をご紹介しますと、主人公は、元ロケット研究者という、ちょっと普通のサラリーマンとは違う世界にいる方です。

 

しかし、ロケット打ち上げの失敗の責任をとり、研究者を辞めて下町の工場を継ぐのです。技術者あがりの下町工場の社長が汗水垂らして悪戦奮闘する様子、物凄く共感を覚える作品です。

 

下町の工場ですが、技術は一流

作者の池井戸 潤さん、本当に大企業の腐った歯車の実態と、日本の製造業、技術力を下支えしているのが、中小企業である事をわかっております。

 

ビジネス小説という事で、ちょっと敬遠する方もいるかも知れませんが、私は、通勤の往復と会社の休み時間などで2日で読み終えてしまいましたよ。

 

強い敵を倒したら、更に強い敵が登場する、ロールプレイングゲームのような展開と、徹底的にリサーチされたと思われるリアルな世界感に見事にはまります。

 

何より、モノづくり、技術にこだわる主人公におもいっきり、共感できます。知的財産、いわゆる特許の権利などよりも、技術で勝負という姿勢が気持ちいいです。

 

技術には自信があるのだけれど、大手企業に苦しめられている、中小企業の方、下町ロケットを手にとって読んでみてください。元気、勇気、やる気がみなぎって来るはずです。

 

直木賞小説 下町ロケットは伊達じゃない!!

 

スラスラスラと読み終わってしまうのですが、仕事とは何だろうかと、ふと考えさせられる気がしました。

 

勿論、それなりに矛盾と言いますか、細かいところに注意を向けると、納得しがたい部分もありますよ。こんなに何もかも都合よくいく事ないといった、現実的な意見も聞こえてきそうです。

 

また、最後まで、協力してくれた弁護士と元妻の関係は何だったのだろうか?など、小説が好きになれば、なるほど、下町ロケットの世界観、全部が知りたくなってしまう、そんな作品です。

 

ビジネスの現場で使えそうな、ビジネス論を見事にわかりやすく物語にしているところが、さすがです。活字を読んでいるつもりが頭の中には、舞台となる町工場の佃製作所の情景が想像出来るのです。

 

プライドをかけた男のロマン、こういう仕事がカッコイイんですね。ぜひ、お勧めです。

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